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南マ州ドウラードス百周年事業=連邦拠出金がキャンセル!?=日本風街頭整備計画に遅れ=「式典できれば問題ない」

ニッケイ新聞 2008年2月14日付け

 南マット・グロッソ州の百周年記念事業の一つ、ドウラードス市の中心街にある「トシノブ・カタヤマ街(Rua Toshinobu Katayama)」の街頭を日本風に整備する計画に対して、連邦政府が拠出するはずの資金がキャンセルされたことが判明し、地元日系人が失望したとの異例の記事が、十一日付けフォーリャ・オンライン版で掲載された。
 南マットグロッソ州ドウラードス市役所が計画している百周年記念事業の一つ、トシノブ・カタヤマ街街頭整備計画は、昨年来の公募で決定された、同地域の日本風の再整備を目指すもの。
 東洋文化を表す材料の木材や水、石などを使用し、道には緑の木々を並べ、鯉を飼える池、イルミネーショなどを設置することも計画されている。同場所は、地元日本人会が選んだ場所で、市内の交通の要衝地だ。
 同計画に対して市役所では、ジェラルド・レゼンデ連邦下議を通して、連邦政府へ費用の援助を要請していた。早ければ二月頃に工事を開始し、六月完成を目指していた。
 ところが、レゼンデ連邦下議事務所が同紙に語ったところによれば、この計画は連邦予算の「都市基盤整備」(インフラ整備)枠に申請されたが、二〇〇七年度予算見直し作業中に、内容的に「再活性化事業」であると判断され、キャンセルされたことが分かった。
 市役所が当初から支出する予定だった十五万レアルだけでは、三区画分を日本風に整備する予定だったにも関わらず、一区画分しか六月までに実現できない見通しとなった。それに対し、フォーリャ紙は「(南マットグロッソ州日伯文化連合会副会長の)宮川順治氏がそれを知って失望している」と報じた。一地方日系団体の意向を大手伯字紙が報じるのは異例だ。
 ニッケイ新聞が電話取材したところ、同連合会の小野享右会長は「今回は連邦政府から資金が出なかったが、レゼンデ連邦下議が二十万レアルはなんとか調達すると約束してくれた」と語った。
 また、同プロジェクトを担当する宮川連合会副会長は今回の問題に関して「市役所と連邦下議が費用を確約してくれている」と信用している様子で、「とりあえずフェスタ(六月の百周年イベント)が行えたら問題はない」と余裕の様子で答え、フォーリャ紙の報じる深刻さは感じられなかった。
 同プロジェクトは全部で第三段階を予定していて、総工費は六十万レアル。市役所が拠出する十五万レアルで第一段階を終え、下議が調達する二十万レアルで第二段階を終える計画になっている。その後の目処は立っていないが、年内に完成を目指している。
 同地域では、百周年記念のフェスタを六月十四、十五日の両日に行うことをすでに決定している。