ニッケイ新聞 2008年2月14日付け
ブラジル東京農大会(大島正敬会長)の第二十九回定期総会が十日午後二時から同会館で開かれ約三十人が出席した。昨年度事業・収支、今年度事業・予算審議が行なわれたほか、百周年を機に、ブラジルに移住した農大生の写真集編纂を検討することなどが発表された。
昨年三月にはパラー州トメ・アスー移住地で農大生北伯移住五十周年を祝った同会。松栄孝副会長の著書『身近なアマゾン』出版や、山中正二副会長(北伯分会長)の山本喜誉司賞受賞など明るいニュースの反面、北伯移住の草分けだった坂口陞さんの訃報という悲しい知らせもあった。
昨年度収入は、会費、会館の賃貸料ほか下宿・宿泊料などで約二二万九五〇九レ、支出二二万五三六九レで約四一〇〇レを繰り越し。今年度予算は収支約十二万レで、会費は現行の一〇〇レに据え置き。いずれも承認された。
今年は慰霊祭や講演会、農大国際バイオビジネス学科留学生募集などの事業のほか、九月にはカナダのバンクーバーでパン・アメリカ校友会が開かれる。参加促進のため理事会から、希望者へ旅費を融資する案が出され、承認された。
理事会からはさらに、ブラジル農大会の記録写真集を編纂する案が出された。
東京農大のブラジル移住の歴史は、古くは一九二〇年代後半のブラジル拓殖組合の時代までさかのぼる。戦後も農業拓殖学科を設置するなど海外移住を進め、二百人以上が渡伯している。
同企画はこうした農大ブラジル移住の歴史をたどる写真集を編纂するもの。理事会提案に反対意見はなく、今後検討を進めていくことが確認された。
この日はまた、山中北伯分会長から農大生北伯移住五十年史が近く完成することが報告されたほか、出席者から六月十八日の移民の日前後に農大会として集まりの機会をもってはどうかとの提案などが出された。
総会後は新年会が催され、出席者は夕方まで懇談した。