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グアルーリョス空港=百周年モニュメント正式始動=6月20日の落成めざして

ニッケイ新聞 2008年2月13日付け

 百周年を記念してグアルーリョス国際空港に建設が予定されている記念モニュメント・記念公園の計画が十二日、正式に発表された。
 同計画はグアルーリョス市百周年記念協会(椋野フェルナンド会長、グアルーリョス文体連=USEG=会長)が主催。ブラジル航空インフラ業務公社(Infraero)寄贈による空港出入口付近の敷地に造形作家の大竹富江さんによるモニュメント、笠戸丸移民の氏名を刻んだ石碑などを設置するもの。
 真紅のモニュメントは鉄製で、高さ九メートル、重さは三十トンに上る。モニュメントに六十万レアル、記念碑に十二万レアルの予算を見込んでいる。
 グアルーリョスでは〇五年五月に市の百周年委員会が発足。現在企業、個人からの寄付を募っている。椋野会長によれば現時点で総予算のうち約十万レアルが集まっているという。寄付者の氏名は建設予定の記念碑に刻まれる。
 十二日午前十一時半から同空港第一ターミナル内で開かれたセレモニーには、椋野会長、モニュメント組織委員会コーディネイターの小原彰氏など市百周年協会関係者ほか、吉岡黎明・百周年記念協会文化委員長、インスティトゥート・トミエ・オオタケのブルーノ・アサミさん、エジガール・ブランドンINFRAERO会長特別補佐官、レセイタ・フェデラルなど関係団体から代表が出席。
 椋野会長は、協力者へ謝意を表すとともに、「過去から現在にいたる日系社会の軌跡を記憶し、未来に繋げる事業」と同プロジェクトの意義を強調した。ブランドン補佐官はプロジェクト開始に祝意を表すとともに、皇太子殿下のブラジルご訪問にも触れ、歓迎の意を表した。
 現在はブラジル、南米最大の空の玄関となったグアルーリョス空港。大竹さんは同空港のほか、百年前に最初の日本移民が着伯した当時のブラジルの玄関、サントスにも記念モニュメントの製作を予定している。
 同空港でのプロジェクトは現在、土台部分となる土地の調査を行なっている段階。同協会では六月二十日の落成をめざしている。
 吉岡文化委員長によればサンパウロの百周年協会では、現在支援事業となっている同プロジェクトへの協力を拡大する可能性も検討しているという。