ニッケイ新聞 2008年2月9日付け
人種平等政策促進局のマチウデ・リベイロ長官がコーポレートカードの不正使用を認めて一日に辞表を提出したことから始まり、カーニバル明け早々から連邦議会がカード乱用問題で大揺れの様相を呈してきた。上院だけか両院合同CPIにするのか。与党と野党の駆け引きは、CPI設置申請書に必要な署名集めをめぐって激しく行われており、体勢が判明するのは週明けまでずれ込みそうな様相を呈してきた。
与党の上院リーダー、ロメロ・ジュカ氏は一旦は上議三二人の署名を添えて上院運営委員会にCPI(議員調査特別委員会)設置申請書を提出したが、文書を一部変えたために再提出する必要が生じた。「一一日には必要な署名(最低二七人分)を集めて再提出する」と明言、八日午後一時現在で二二人分集めたとグローボTV局の取材に答えている。
長官辞任などの手傷をすでに負っている与党側としては、政府関係者の使うコーポレートカード(法人カード)が創設された十年前、フェルナンド・エンリッキ・カルドーゾ政権時代まで調査をさかのぼる形でCPIを設置する準備を進めて野党を牽制し、「肉を切らせて骨を絶つ」戦術で臨んでいる。
これに対して、野党の民主党(DEM)リーダー、ジョゼ・アグリピノ・マイア上議は「下院も一緒になって聞き、手を組んで問題を解決しなくてはいけない」と、盟友であるブラジル民主社会党(PMDB)のカルロス・サンパイオ下議らと共に両院合同CPIを求めている。
加えて同上議らは、十年も前までさかのぼらずに二〇〇一年からの調査にすべきと主張する。アウヴァロ・ジアス下議(PSDB)は〃コンタB〃と呼ばれる入札を行うことなく支出した臨時支出への監査に否定的で、「そんなことまでやってる時間はない」と八日に伯字紙記者に語っている。
上院だけか合同のCPIにするかの動きに対し、ブラジル国営通信によれば、ガリバウディ・アウベス・フィリョ上院議長(PMDB)は「早く提出した申請書を尊重する」と応じている。
アルリンド・キナリア下院議長ともども、同上院議長は合同CPIには否定的な考えを持っており、「上院、下院で同じような審議を繰り返すのは時間の無駄。各議会には解決されねばならない議題が山積している」と語っている。
サンパイオ下議は七日、同通信記者に対して、「すでに下議署名一二六人分と上議の必要分は集めた」と語っており、下議で申請するのに必要な一七一人分まであと少しであることを強調した。
まだまだ水面下の駆け引きが続いており、どちらのCPIになるかが判明するのは、週明けまで持ち越されそうだ。