ニッケイ新聞 2008年2月5日付け
【リオデジャネイロ1日共同】長野県松本市で二〇〇三年七月に起きた強盗殺人事件で、ブラジル・サンパウロ州警察当局は一日、日本政府が代理処罰(国外犯処罰規定による訴追)を要請していたブラジル人のジュリアノ・エンリケ・ソノダ被告(29)=強盗殺人罪で起訴済み=を同州北西部のフェルナンドポリスで逮捕した。
被告は事件後にブラジルに帰国、フェルナンドポリスにある母親の家に身を寄せていたという。消息筋によると、地元のショッピングセンターなどで働いていたとされる。逮捕後、被告の身柄は拘置施設があるグアラニ・ドエステに移送された。
ブラジルでは身柄の拘束前でも起訴が可能で、サンパウロ州検察当局が一月二十八日に起訴。日本がブラジルに代理処罰を求めた事件で起訴は四件目で、そのうち逮捕は三件目となる。
検察当局によると、被告は〇三年七月十日夜、日本人の男=無期懲役の判決確定=と共謀し、松本市の貸金業全達守さん=当時(59)=方に侵入、全さんの首をコードで絞めて殺害し、現金約四十万円を奪った。長野県警は〇四年二月、強盗殺人容疑で逮捕状を取得し、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配していた。
日本がブラジルに求めた代理処罰では、静岡県浜松市の強盗殺人事件で、ブラジルの州裁判所が昨年十二月、日系人被告に禁固三十四年五月の実刑判決を言い渡している。