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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年2月2日付け

 ブラジルはカルナバルに浮かれアメリカは舌戦に沸き丁丁発止と渡り合う。とりわけ民主党の予備選で激闘するヒラリ―氏とオバマ氏の論戦は激しくも厳しい。「変化」を掲げて共和党政権の打倒を目指すオバマ氏には、ケネデイ上議やノーベル賞を受けた黒人の女性作家トニ・モスリンさんが支持を表明▼ヒラリ―氏には、夫のクリントン元大統領がおり、演説でも辛口のオバマ批判を繰り広げ賑やかである。兎にも角にも―今年の大統領選挙は話題に富む。第一に史上初の女性大統領が誕生するかもしれない。第二は、父親がケニア出身の移民であるオバマ上議が当選すれば、これもまた初の黒人大統領なのでマスコミは騒ぐ。目下のところ、ヒラリ―女史がちょっぴり優勢なのだが、天王山となる5日の「ス―パ―チュ―ズデイ」を待つしかない▼一方の共和党はマケイン氏が優位に立っている。当初は9・11テロのときに名指揮ぶりを発揮した前NY市長のジュリア―ニ氏が最有力と見られていたが、予備選が進むにつれて劣勢となり遂に撤退を余儀なくされてしまった。踊り出たのがマケイン上議である。海軍士官学校を卒業しベトナム戦争に従軍し、捕虜生活も体験した英雄である。当年71歳といささか老齢だが元気さは若者にも負けない▼ブッシュ大統領のイラク政策を支持し、保守派を堅持する豪の者である。新聞などは、民主党の候補ばかりに視点を向けているけれども、ブッシュ大統領のイラク増派が成功したことは、民主のケネデイ上議も認めているし、大統領選挙も―投票箱の蓋を開けるまでは誰にも解らないのが正解ではないか。(豚)