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まだまだ多い殺人事件=10万人当り100人4市=サンパウロ州ではカラグアが最悪=リオの青年死、サンパウロ市より上

ニッケイ新聞 2008年2月1日付け

 二十九日に発表されたブラジリア市のラテン・アメリカ技術情報ネットワークのブラジル都市犯罪地図白書によると、犯罪都市とランキングされた十都市のうち四都市が、十万人当りの殺人件数が一〇〇人を越えており、残り六都市も九〇人台にあることが明らかになった。殺人が最も多い都市はコロネル・サプカイア市(マット・グロッソ・ド・スル州)で人口十万人当りの殺人件数が二〇〇六年で一〇七・二人だった。次いでコルニザ市(マット・グロッソ州)で一〇六・四人。以下イタニャンガー市(マット・グロッソ州、一〇五・七人)、セーラ市(エスピリット・サント州、一〇二・四人)と続く。
 地図白書によると、サンパウロ州海岸地区のカラグァタツゥバ市では、二〇〇二年から二〇〇六年の間に、三一〇人が殺人事件の犠牲となり、十万人当りでは七〇・四人。同市はサンパウロ州一の治安の悪い町ということになり、今回の白書では四一位にランクされている。
 この報告に対し、三十日エスタード紙では、「海岸を訪れる旅行者をいたずらに不安に陥れる」と抗議する市長の声を報じているが、現実には、同市では今年も既に二件の殺人事件が起きている。
 また同白書によると二〇〇六年に、リオ市が十五歳から二十四歳までの若者層の殺人で、サンパウロ市を追い抜いたことも報告されている。二〇〇六年はサンパウロ市の若者の殺人被害者が、七九七人だったのに対し、リオ市は八七九人だった。
 サンパウロ市での殺人被害者数の減少傾向はリオ市でのそれよりも大きく、若者を対象とした数字では、サンパウロ市では二〇〇三年から二〇〇四年にかけて、二三四九人から一六九五人と殺人が減ったが、リオ市では一三五四人から一二六四人だった。
 三十一日のエスタード紙によれば、二〇〇六年の全伯の若者の殺人被害者数は一万七三一二人だった。