ニッケイ新聞 2008年1月31日付け
過去二年間でサンパウロ市は、全国で殺人が多い五六〇都市の中で三一〇位もランクを下げ、治安が改善されたことが明らかになった。これはブラジリア市のラテン・アメリカ技術情報ネットワークが、二十九日に発表した第二回ブラジル都市犯罪地図白書によるもので、昨年の白書では十万人当りの殺人被害者数は四八・二人で、ランキングは一八二位だったが、今年は十万人当り三一・一人に減少し、ランキングは四九二位に引き下げられたと、三十日付けエスタード紙が報じた。
第二回目の調査の基となる二〇〇六年のデータによると、サンパウロ市の殺人の被害者数は二五四六人で、近郊のトーレ・デ・ペドラ市の人口が一年間で消失したことになる。それでも二〇〇二年の五五七五人の半分以下となっている。
サンパウロ市の殺人減少傾向は一九九九年ごろからで、二〇〇六年のデータでは、市内の二九地区で、十万人当り十人以下となった。市内全域の平均では十万人あたり一五人。
調査を担当したアナリストによると、サンパウロ市での殺人減少は、地域社会が協力して暴力撲滅、社会防犯や治安に努めている結果だという。
ブラジル全体で見ると、二〇〇六年の殺人被害者数は二〇〇三年の五万一〇四三人から四万六六六〇人と八・五%の減少となった。
州都だけを見ると、最も殺人が多いのは全伯九位のレシフェで、十万人当り九〇・五人。危険といわれるリオ市は全伯二〇五位で十万人当り四四・八人だった。最も安全な州都は、カンポ・グランデで十万人当り三〇・三人だった。