ニッケイ新聞 2008年1月30日付け
二十九日付けエスタード紙によれば、ミナス・ジェライス州アラサイ市(ベロ・オリゾンテ市から一〇八キロ)で二十七日午後、町に戻ろうとした十二人乗りのジープが濁流に飲み込まれ、このうち七人が水死する事故が発生した。
一行は同日、近くの農場で行われた洗礼式の祝いに参列しての帰り道で、救助活動を行った消防によると、ジープの運転手は事故現場付近を流れる水流を横切ろうとしたが、折からの集中豪雨で水かさが増しており、濁流に百メートル近く流され、別の水流との接触点で停まった。水死した七人のうち二人の遺体は近所の住民によって収容され、残りの五遺体は、消防により収容された。
圧巻だったのが、四八歳の肝っ玉母さんの活躍で、水流に流されたジープの窓ガラスを割って外に出た後、六歳から九歳までの子供たち四人を次々とジープの天井に引き上げて避難させ、窒息死を免れさせた。救助隊が駆けつけた時、この婦人と四人の子供たちはジープの上で待機していた。