ニッケイ新聞 2008年1月29日付け
【神戸新聞】日本からブラジルへの移住が今年で百年になるのに合わせた写真展「逢(あ)いたくば―ブラジル移民百年の肖像」が二十六日から神戸市中央区脇浜海岸通一のJICA兵庫で始まる。ブラジルの移民一世らの表情をとらえた写真家八木仁志さん(47)=神奈川県相模原市=の作品約四十点を展示する。
八木さんは、ブラジル在住のいとこが出稼ぎに来ていた日本で病没し、墓参のため二〇〇五年にブラジルを訪ねたのが撮影のきっかけになった。最初のモデルは、第一回移民の最後の生き残りだった中川トミさん。亡くなる八カ月前の〇六年二月、九十九歳の笑顔を撮った。続いて撮影依頼が寄せられた日本人移民の肖像写真を撮り始めた。
作品の大半は、年配の夫婦がそろってほほえむ写真。ブドウの高級品種を育成した奥山孝太郎さん、文子さん夫妻らが登場する。
八木さんは「移民の写真は、しわを強調し、苦労をうかがわせるものが多いが、本人が見たくないような写真は撮りたくなかった。今後の百年が笑顔で始まるように願っている」と語る。
無料。二月二十七日まで。同十一日午後二-四時には八木さんを交えた座談会をJICA兵庫で開く。要予約。JICA兵庫TEL078・261・0341
(宮沢之祐記者)