ホーム | 日系社会ニュース | 焼津母子3人殺害事件=ネベス容疑者を逮捕=サンパウロ州=サルタイア市で15日早朝=国外犯処罰3人目の裁判へ

焼津母子3人殺害事件=ネベス容疑者を逮捕=サンパウロ州=サルタイア市で15日早朝=国外犯処罰3人目の裁判へ

ニッケイ新聞 2008年1月16日付け

 静岡県焼津市のブラジル人母子三人殺害事件で、殺人容疑で日本政府から国外犯処罰(代理処罰)要請を受けているブラジル人、エジルソン・ドニゼッチ・ネベス被告が十五日午前五時十五分、サンパウロ州西南部のサルタイア市で逮捕された。サンパウロ州バストス市とサルタイア市の捜査関係者が明らかにした。ブラジル側に捜査書類が届いて五カ月目に逮捕までこぎ着けたことで、「逃げ得は許さない」とする日本側の声に、ブラジル側当局が誠意をもって応えた形となった。
 被告の出身地であるバストス市の軍警関係者が二人の捜査官とともに、サルタイア市にある自宅から被告が出かけようとしたところを逮捕した。
 関係者によれば、逮捕後すぐにバストス市内の警察署に連行して被告を拘留し、調書を作成。その後は近隣のリノポリス市の留置所に移送される見込み。最終的には、裁判が行われるサンパウロ市内に身柄が移される。
 初公判は二月二十一日午後二時からサンパウロ市内の刑事法廷で行われる予定。サンパウロ州裁判所のホームページですでに公示されている。
 当局関係者によれば、同被告は八カ月ほど前に同市に農場を購入。妻とみられる非日系のブラジル人女性と同棲し、家畜の牛乳取りや、それを加工するなどして働いていたという。
 ネベス被告は〇六年十二月、当時交際していたブラジル国籍の女性派遣社員、ソニア・アパレシーダ・ミサキ・フェレイラ・サンパイオさん=当時41歳=宅で、ミサキさんとその次男を殺害、さらに自宅で長男を殺害した疑い。
 同被告は焼津市内で貸金業などに関わっていたとされ、事件発覚直前にブラジルに帰国。昨年九月に日本政府の要請に基づく三件目の国外犯処罰(代理処罰)要請として捜査書類がブラジル側に渡され、十月にサンパウロ州検察庁へ。十二月十日には同検察当局が起訴、逮捕状を出した。一連の要請による逮捕者は三人目。