ニッケイ新聞 2008年1月12日付け
世界一を競うトヨタ自動車とGMモータースのつば競り合いは、戦場がインドなどの低価格車が参入する新興市場へ移り、安全性と耐久性を売り物とした先発メーカーも予断を許さぬシェア合戦になりそうだと十二日付けバロール紙が報じている。
トヨタは十日、二〇〇七年度の車両売上台数を六%増の九百三十七万台と発表した。GMは正式発表ではないが、僅差の九百三十万台としている。それにしてもGMが七十六年間、守ってきた世界一の王座をトヨタへ譲りそうだ。
トヨタの勝因は、かつて低価格の小型車で売り出した米国市場での後発メーカーの努力にある。その後の地盤確保に伴い、カローラやカムリー、ハイランダー、ツンドラ、プリアスなどの新車発表で売上を伸ばした。
しかし、ブラジルなどのBric市場でトヨタは、消極的であった。Bric四カ国市場では、GMがはるかにトヨタを凌駕している。CSMの調査によれば、二〇〇八年は新興市場でGMが巻き返す。新興市場をもトヨタが、制すのは二〇一三年と見ている。