ニッケイ新聞 2008年1月11日付け
サンパウロ市美術館(MASP)で盗まれたピカソとポルチナリの名画二点が発見されて元のさやに戻り、関係者は狂喜している。
しかし、国家古典美術資産院では過去に九百十八点の名画が、ブラジル内で行方不明になっている。現在も消息不明なことに不満を抱き、保管と警備に警告を発している。
この中には二〇〇六年三月、リオ市で盗難にあったピカソのダンサやルクセンブルグのジャルジンなど時価五千万ドルという国内最大の盗難も含まれる。
問題は国際警察機構(インターポール)への告発用に写真や図録がないこと、そのために捜索が困難となっている。ブラジルで行方不明となった九百十八点のうち、三分の一は図録がないという。