ニッケイ新聞 2008年1月10日付け
中央銀行は八日、二〇〇七年度の貯蓄投資(ポウパンサ)残高が利息低下にも関わらず過去最高の三百三十四億レアルに達したと発表したことを九日付けエスタード紙が報じた。これは、二〇〇六年度の六十五億レアルの五倍に相当。数々の貯蓄商品を総計すると二千三百五十三億レアルとなり、前年比二五・一八%増である。これは低所得層の収入が、好転したことを示している。
一般庶民にも平均所得の向上に伴い、貯蓄が生活習慣として定着したらしい。貯蓄預金総額は一兆三百億レアル、引出しが九千九百五十一億レアル。十二月の貯蓄預金は九十一億レアルで、これも月間貯蓄の記録更新。一人当りの貯蓄は、平均一千レアル以下。
これは低所得層といわれるDとEクラスの所得が底上げされ、生活に余裕が出たためと見られる。また確定利付きファウンドに投資していた中流クラスが、ポウパンサへ鞍替えしたこともありそうだ。
ポウパンサとは、鏡に写る国家の顔といえる。これまで五%を配当したファウンドが配当中止、ポウパンサは所得税を免除したことで貯蓄の流れが変わった。ポウパンサは、手続きの簡略なのが魅力だ。
二〇〇八年は、経済の好転によりポウパンサも二〇〇七年程ではないが盛況が予想される。中銀の通貨委員会もインフレ対策として基本金利の引き上げを行い、貯蓄投資は有利に展開すると思われる。インフレが再来すれば、ポウパンサよりファウンドがよい。
今年を振り返るとポウパンサは七・七〇%を配当、インフレ四・三九%を上回った。ファウンドは年平均で七・七九%だった。一万レアル以上の大口投資家は、ファウンドで税引き一〇・〇八%の配当。DIで九・七三%を得た。
ポウパンサは、財テクに慣れない人や未亡人にとっての安全地帯である。株式市場が荒波と戦う最前線なら、ポウパンサは安息の避け処に憩いながら後方支援に供する防振装置である。貯蓄スタイルとしては、二五%がポウパンサ、一〇%がファウンド、五%を株が無難のようだ。