ニッケイ新聞 2008年1月9日付け
今回も盛況だったリベルダーデのもちつき。商工会の網野弥太郎さんによれば、始まった当時は量も二、三俵程度。付近の商店主から苦情があったという。「もちが売れなくなる」からだ。
「でもおかげでブラジル人が食べ方を覚えてね、かえって売れるようになった」と網野さん。日系食品店前で売り子が「シロモチ!」と呼びかける姿はすっかり年末の風物詩だ。年明けに近所の店で聞くと「去年より売れたよ」とニッコリ。
祭り当日、無料の紅白もちの行列で一人の日系女性に会った。プロミッソン生まれ、現在七十八歳という彼女は「昔は家で父がもちつきをしていました。なつかしいですね」と話していた。
移民が淡々と続けてきた年末のもちつき。これだけのイベントになるとは思いもしなかっただろう。ふと戦前移住地の、真夏のもちつき風景を想像した。(ま)