ニッケイ新聞 2007年12月29日付け
援協史上最高額の事業費に――。サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)は、定例理事会を二十一日開き、〇八年度の事業費が、同会予算編成史上最高額一億六千百五十万千三百レアル(以下・レ)になる見通しと発表した。その内、援協の屋台骨とも言える日伯友好病院の支出が例年通り突出、全体の八割以上となる一億三千八百七十万レを計上していることが明らかになった。
日伯友好病院は、来年度の収入見込みとして、千三百五万レを予測。支出となる特別事業費には昨年比、約二百万レ増の千七十四万レを計上した。UTI(集中治療室)の増設、緊急診療所並びに手術センターの拡張に加え、超音波診断装置、CTスキャン、レントゲン機などの医療機器の更新費が多額を占めた。
またコンピュータ、器材の補充・更新費に四十万レ、福祉センター建設援護費に二百万レ、来年六月に実施する七十歳以上の高齢者を対象にした無料検診費に五万七千レの予算を組んだ。
巡回診療班(根塚弘班長)は、今年も約二十万レの赤字予算。昨年約三万レの減額となったJICAからの助成金がドル安レアル高の影響もあり、さらに約二万レ減の八万六千六百レアルになったことが響いた。
福祉部(八巻和枝部長)は、昨年から約五十万レ増の八十五万七千七百レの赤字予算を組んだ。収入は六十一万レを予定。その内、日本政府による移住者保護対策費が昨年比、約八万レ減の二十八万八千レの見通し。
一方、支出となる高齢者などへの援護費が二年連続で約七万レ増の百十二万レとなったことから、援協にとっては自助努力による援護費用の工面が強いられる結果となった。