ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

ニッケイ新聞 2007年12月29日付け

 年の暮れはなんとなく心が騒ぐ。やり残したことの多きを悔やみ、世の移り変わりも激しい。ブラジルは、1014年のWカップがリオと決まり大喜びしたのはいいが、暮れも近くなると、上院で小切手税が廃止となりル―ラ大統領は大困惑だそうな。これで喜怒哀楽が入り混じっての1年となり、世界の国々でも、いろいろな騒ぎがあり忙しい年となった▼米のサブプライム問題は、国際的な金融危機を招いたし、原油のNY相場が100ドル近くまで高騰し国際経済が緊張する場面も。日本でもガソリンは値上げ、灯油との関連で政府が2500億円もの補助金を決めたが、これも民主党の主張する7000億円には遠く及ばないと批判が高いらしい。尤も、参院選挙での自民敗北による「ねじれ国会」で安部首相が突如辞職し福田政権となるが、この政治的な問題の方が遥かに大きい▼韓国と仏に保守系の大統領が当選したのも重く、露のプ―チン大統領は「院政」を目指し、北朝鮮の核廃棄への動きやイラクの治安悪化と解決を急ぐべき課題は多い。独と仏の指導者が革新から保守に代わったのは、米との連携の点で好ましく、ギクシャクした米欧の関係が修正されると期待したい▼と、世の動きは迅速なのに我がコロニアは山の如し―である。笠戸丸に乗ってサントス港に着いた781人の移民がブラジルの大地を踏みしめてから100年。迎える新年は「移民100年祭」だが未だに資金の目処もついていないらしい。これでは困る。と、苦言を呈しながら2007年の別れとしたい。いいお年を。(遯)