ニッケイ新聞 2007年12月28日付け
政府筋により二十四日に発表された十二月度の貿易収支分割決算は、明と暗の二要素を数字で示した。明は輸出の実績、十二月第三週で政府目標を達成というもの。暗は輸入が、さらに増大し政府の予想を遥かに越えたところにある。これにより国際貿易収支の黒字は、昨年と比較して一二・二%の減少に落ち込む事態となった。
産業開発省外為局が発表したところによると、今年の輸出累計は十二月第三週終了時点で千五百七十四億ドルとなり、政府が二〇〇七年度の目標として掲げた千五百七十億ドルを超えたことになる。年末終了時までに、八日間を残しての達成である。
十七日から二十三日までの第三週の一週間のみで輸出は、四十二億七千万ドルとなり、輸入の三十二億三千万ドルを上回り出超の様相となった。
輸入の十二月第三週までの累計は、千百九十億千万ドルとなり、二〇〇六年度の同時期の三四・七%増となった。この数字は政府の当初予想の千百七十億ドルを二十億ドル上回る結果となった。輸入の増大はドル安の影響に加え、産業界が安い外国産の材料を仕入れて増産し国内需要を満たしていたためで、政府関係者は当分歯止めがかからないと見ている。
これにより今年の貿易収支黒字は、三百八十三億九千万ドルの累計となり、昨年対比で一二・二%減少した。さらに政府目標が四百億ドルだったことから、結果は一三%の減少で終わった。輸入の歯止めが期待できないことから、中銀は二〇〇八年の貿易収支黒字予想をこれまでの三百四十億ドルから三百億ドルへ下方修正した。