ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | クリニカ病院でボヤ騒ぎ=幸い大事に至らず=黒煙と異臭が広まりパニックに

クリニカ病院でボヤ騒ぎ=幸い大事に至らず=黒煙と異臭が広まりパニックに

ニッケイ新聞 2007年12月27日付け

 クリスマスの夜を祝っている二十五日、サンパウロ市西部のクリニカ総合病院の救急病棟でボヤ騒ぎがあり、避難する患者や病院関係者で大混乱とパニックに陥った。ボヤ騒ぎは強烈な刺激臭と黒煙が病棟全体を覆ったが出火には至らず幸い大事にはならなかった。
 しかし、この混乱で二十六日に予定されていた救急病棟の外来診療患者の受付は停止され、診療は見合わされた。受け付けは再度やり直しとなり、次回診察は三十日後となる見込み。手術も緊急患者のみが、優先される模様。
 この火災事故によりラ米最大の総合病院といわれ、中でも救急病棟では一日四千人が詰め掛ける外来診療患者の診察に支障をきたすことになる。同病院は年間、四万五千件の手術が行われる。一万五千人の勤務者のうち約四千人が医師で二〇〇七年、二百万人に治療を施している。
 ボヤは二十五日午後十時ごろ、救急病棟ビルの地下一階の配電盤から発生したと見られている。配電線が、過熱して表が焼けただれている箇所が多数見受けられる。表皮のプラスチックが焼けて、その黒煙と臭いが広まった。
 黒煙は救急病棟を覆い尽くした後、隣接の中央診療病棟の集中治療室(UTI)にも侵入した。
 救急病棟ビル前のエネイアス・カルバーリョ大通りの歩道では避難してきた術後の患者たちが担架で運ばれ、さながら野戦病院の様相を呈した。これら四十四の担架は、サンタ・カーザなど市内の四病院へ緊急移送された。
 UTIには術後の患者十人がいたが、同様に他の病院へ収容された。偶々ブラジルに観光できていた十六歳の日本人は、病院で手術を受けた直後に移送されたが、大事なく無事退院した模様。