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ボリビア・ガスに10億ドル投資=雨降って地固まる=低開発国へ格差是正が必要=ボ国の要求「隷属でなく対等に」

ニッケイ新聞 2007年12月19日付け

 EUがスペインやポルトガル、ギリシャなど低開発地域に大枚を投じて格差是正に努めたように、ブラジルもボリビアを育てるという。しかし、ペトロブラス(PB)が新規開発したガスの供給先では、合意にいたらなかった。
 PBが最高価格を払う国への輸出を提案したのに対し、ボリビアは国内優先を主張した。ボリビア国内は、大統領の不信任案と地方自治体の独立性を問う国民投票の準備中である。明日の命も知れないモラレス大統領にとって、ルーラ大統領の訪問は、地獄に仏ではないのか。
 すでに油床が発見されたサンアウベルトとサンアントニオ、イングレの三カ所は七億五千万ドルを投じて、生産がはじまる。さらにPBは、YPFBボリビア石油公団と合弁で新たな油田試掘を行う。モラレス大統領は「PBが必要なことが分かった。しかし、対等であって隷属ではない」と何度も念を押した。
 PBと共にボリビアから追放されたブラスケンも、ボリビア政府と和解しYPFB石油公団と合弁企業を設立、操業再開に入った。
 ボリビアとベネズエラは二〇〇六年、ガス開発の合弁事業の設立で合意していた。しかし、計画は話しだけで実現しなかった。それに代わるブラジルは、計画遂行が早かった。
 ブラスケンは、ボリビア・ガスの商品化第一号である。リジンやエタン、ポリエチレン、液化ガスその他のガス製品を生産する。ブラスケンは石油化学では、南米一の最大手といわれる。PBとブラスケンが、ボリビアの地場企業のけん引車である。