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公共輸送に厳しい批判=メトロ、評価8%下げる=利用客の増大で飽和状態に

ニッケイ新聞 2007年12月19日付け

 国家公共輸送協会(ANTP)がサンパウロ市内で二千三百人を対象に公共輸送機関の評価についての意識調査を行ったところ、総じて評価が低い結果となった。
 特にメトロ(地下鉄)は調査が開始された八年前から高い評価を維持してきたが、今年に入り昨年の九三%の評価点から八五%に落とすという低い結果となり、市民が必ずしも良い印象を持っていないことを証明した。
 この他、パウリスタ鉄道(CPTM)は昨年の五〇%から横ばいの五一%、都市を結ぶバスは昨年の四八%から四二%へ下落した。ただ市内のバス路線は、昨年の五七%から六四%へと評価が上がった。
 市や州の関係者によると評価の下降は、輸送機関の質の落ち込みとサービスの下落に起因しているが、これらは利用者の急増によるものだと分析している。
 特にビリェッテ・ウニコ(単一乗車券)が、メトロやCPTMに使用可能となったことで、利用者はそれまでの七百八十万人から八百四十万人へと膨らんだとしている。
 メトロのベルメーリャ(赤)路線では、朝のピーク時に東部から都心部へ向かって毎朝七万七千人を運んでいるが、これ以上利用客が増えるとサービスはパンク状態に陥るという。
 メトロを統轄するサンパウロ州交通局のポルテイラ長官は、評価が九三%から八五%へと八ポイント下げたことを適切な評価だとし、陥没事故や地滑りなど、数カ月の間に事故が多発したり、ストが続いたことなどから、さらに悪い審判が下っても止むを得ないことだとの考えを示している。