ニッケイ新聞 2007年12月18日付け
十五日付けエスタード紙が、十二月の発電可能電力は一〇万MWを超えたと報道。十三日の消費量のピークは約六万一〇〇〇MWであったので、供給は需要を満たしていると。
しかし、その同じ記事が発電可能電力と実際の必要時の発電量は同じではないと念を押している。言い変えれば、理論上は一〇万MWの発電能力があっても、ダムの貯水量や燃料となる天然ガスや重油の供給が追いつかなければ、現実の発電量はそれ以下となる。また、通常、実際の発電量は理論上の数字を下回る。
例えば、十三日の伯字紙は、北東伯のダム貯水量が不足し、ガスの供給も増やせないため、当該地域での水力発電量を減らすとともに、パラー州のトゥクルイ発電所と中西伯、南東伯から北東伯への電力供給強化、北東伯の六つの火力発電所中三つで重油での発電を検討中と報じた。
また、十五日のエスタード紙は、トゥクルイ発電所は今年タービン二基が新たに稼動し始めたものの、貯水量が減り、水位は一七・五%となったとし、アマゾンの主要ダム、ソブラジーニョも十三日のフォーリャ紙によれば貯水量一二・六五%という。このままいけば、一月には火力発電増は避けられない可能性が強い。
なお、先日競売が行われたマデイラ川のサントアントニオ発電所の稼動開始は、二〇一二年十二月の予定を五月に前倒しとなる可能性があると十三日のエスタード紙が報じている。
(十二日本紙記事でサントアントニオ発電所の最大発電量三一五〇MWがイタイプー発電所の三倍とありましたが、「アマゾン流域で計画中の水力発電所一〇カ所の発電量総計は少なくとも四万三〇〇〇MW」の語句を削除した折、数字の差し替えミスがありました。一〇カ所総計がイタイプーの三倍で、サントアントニオだけではイタイプーの約二二%です。お詫びし、訂正いたします。)