ニッケイ新聞 2007年12月14日付け
高名な日系精神科医で知られるチバ・イサミさん(66、二世)のベストセラー『Quem Ama, Educa!』(愛するなら教育しなさい、Editora Gente)の新版が五年ぶりに出版された。出版記念会が十一日夜、サンパウロ市内の書店で開かれ、テレビ局の取材班をはじめ多くのファンが駆けつけた。
チバさんには十六冊の著作があり、計二百万冊を売り上げている国内屈指のベストセラー作家。国内外で合計三千二百回もの講演をこなしている。
チバさんはあいさつで「今までは若者たちが親に反抗することが問題視されてきたが、それは逆に親に対して学習の意欲を高めるきっかけになる」と解説。時代の変化に合わせた全く新しい家族関係のあり方が必要とし、さらにデジタル化が進む現代社会に求められる道徳・倫理観などにも比重をおいて書いたという。
また本書の裏表紙には子どもへの小遣いの与え方、インターネットやテレビゲーム、薬物などに子どもを依存させないように育てるアドバイスなど、具体的な内容も盛り込んでいるとある。
同書の売り上げの一%はサンパウロ日伯援護協会に寄付される。森口イナシオ援協会長によれば、援協の事業内容に共感したチバ氏からの申し出という。
記念会に出席した森口会長は「寄附の金額の問題よりも、本を読んだ多くの人に援協の名を知ってもらえることが何よりも嬉しい」と喜んでいた。