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自閉症児学級で学習発表会=少し緊張、成果見せる=母親らダンスを=JICAシニアたち盛上げに一役

ニッケイ新聞 2007年12月12日付け

 サンパウロ自閉症療育学級「青空学級」(菊地義治会長)の第二回学習発表会が、八日午前、教室のあるサンパウロ市V・マリアナ区の本門仏立宗日教寺で開かれ、五人の児童たちが日頃の学習の成果を精一杯に披露した。
 今年の学習テーマは、バランス感覚。家族や関係者ら約七十人が見守る中、児童らは映画「スターウォーズ」のメロディーにあわせて登場。それぞれがスケートボードにうつぶせになり、前の児童の足を持って一列になって入場した。
 舞台では「世界に一つだけの花」を音楽に、児童たちは円形のバランスボードや竹馬、ジャンピングホッピングなどを上手に操った。
 また今年は第二部があり、それぞれの児童に似せたマリオネットの前で児童の母親らがダンスを披露。会場は賑やかで温かい雰囲気に包まれていた。
 同学級を指導するJICAシニアの三枝たか子さんは発表会後、バランス感覚を高めることによって、自閉症児の常同行動が減り、集中力を高める効果があると説明した。
 また発表を振り返り「子どもたちも大勢の人の前で発表して少し緊張していたが、それぞれ楽しみながら発表してくれた」と笑顔。来年にかけては「自発的に行動できる力をより身につけてもらいたい」と話した。
 発表の合間にはJICAシニアの島原まさこさんが「よさこいソーラン」を、蓑輪敏泰さんが和太鼓、貞弘昌理さんが「幸せなら手を叩こう」などをギター伴奏で披露し、会場を盛り上げた。
 来賓として出席した小林正博JICAブラジル事務所所長は「三枝シニアを通じてブラジルの自閉症児の教育に貢献できることをうれしく思う」とあいさつ。梶谷健二郎副領事は「児童らが、時には立ち止まりながらも成長していく姿をみんなで褒めていってほしい」と語った。
 森口イナシオ日伯援護協会会長や菊地代表も関係者の努力と協力に感謝の意を示すあいさつを述べた。
 同学級は、昨年四月に開校。薬物に頼らず日々の集団生活を通して自閉症の症状改善をめざす療法「生活療法」を基本に教育に取り組み、高い効果を上げている。

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