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バリ島会議でブラジル孤立=エタノールを環境製品から外す=コモディテイ認定が必須条件か

ニッケイ新聞 2007年12月6日付け

 インドネシアのバリ島で開催されている国連環境会議でブラジル代表は四日、欧米代表が提案したエタノールを除く四十三品目の環境製品の受け入れを拒否した。エタノールは、環境改善に寄与しないという見方だ。ブラジル外務省は直ちに、提案を阻止する協議に入った。
 エタノールを環境や経済、産業開発に貢献しないというのは偏見だと外務省が反論した。金融会社のモルガン・スタンレイは、エタノールがブラジル政府の鳴り物入りではあるが、見通しはまだ国内市場にとどまり、欧米や日本市場へ供給するには、時間がかかるという見方だ。
 G―8はエタノールが市民権を得るには、バイオ・エネルギーとしてグローバルなコモディテイに認められる必要があると見ている。欧米のエタノール生産者は、政府の補助金に助けられているのが現状だ。森林を伐採することなく再生可能な条件を満たすことが、前提条件という。
 しかし、エタノールを再生可能生産物から外したのは、ブラジルとして不服である。ブラジルが欧米市場にエタノールの大量供給ができないのは、高率関税と補助金制度のためである。四十三品目は、低開発国にも開発可能な風力や太陽光エネルギー利用などの実用性の低い製品だ。
 ブラジル代表は、国連環境会議が理論のアソビとお祭りに偏り、現実性に欠けると批判した。風力や太陽光を強調するあまり、環境改善の真意がどこにあるのか疑われる。国際会議はとかく、先進国のシナリオで進められる。エタノールは環境の観点で賛同を得るが、営業では邪魔が入る。
 先進国の考え方として、環境製品の五七%を先進国が生産し、市場を抑えるのが原則である。欧米産エタノールには、政府の補助金が含まれている。補助金で過剰保護を受けた製品の輸出は、途上国を貧困の崖ぶちから突き落とすようなものと途上国はいう。