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気候変動にどう取り組むか=バリ島での会議を前に考える

ニッケイ新聞 2007年12月1日付け

 三日から十四日にかけ、インドネシアのバリ島で第一三回国連気候変動問題会議(京都議定書後についての第三回目会合をかねる)がもたれるが、二十九日の伯字紙にはバリ島での会議に向けての政府見解について、また、三十日フォーリャ紙には一般企業の気候変動問題への認識調査の結果について書かれていた。
 アマゾンについて言われる度に態度硬化が見られるブラジルだが、二十九日の報道では、地球温暖化の先鞭をつけたのは先進国であり、先進国に対して厳しい規制をするのは納得できても、後発の開発途上国にまでその責任を負わせ、温暖化ガス削減の達成目標を課することには納得できないという従来の姿勢を貫くことが再確認された。
 政府は、ガス排出規制に抵抗している石油輸出国機構(OPEC)諸国には圧力をかけるべきだが、その他の開発途上国に関しては、各国の事情が違うのだから、各国が国内領域での政策を立てればよいという。森林破壊減少で二〇〇四年来すでに四〇万トンからの二酸化炭素を削減したとするブラジルだが、フォーリャ紙は、政府はバリ島会議において、京都議定書後の先進諸国の目標値は、二〇〇九年のコペンハーゲン会議で確定することと、開発途上国におけるクリーンエネルギー開発のための経済的、技術的支援についての交渉機関を作ることの二つの提言をする予定だと報じている。
 また、三十日のフォーリャ紙では、株式市場上場会社はみな、気候変動は危機であると同時にチャンスだと認識しているが、情報収集をしている企業は八二%、企業としての対応を話し合ったが五九%、具体的計画ありまたは実行しているが三三%と報じている。全体としては、目覚めの段階の企業が大半で、計画、実行、チェックへと進んでいる所はまだ少ないといえるが、同紙では、自社のガス排出量を知らないため目標が立てられない企業や、京都議定書の「クリーン開発メカニズム(CDM)」やその利用の仕方を知らないために、計画、行動を取れない企業もあるとしている。
 同じ記事に、奴隷労働を例にあげ、社会が声を上げるようになれば政府も監査体制を作るようになると書かれていたが、気候変動についての動きについても、会議後を見守りたい。