ニッケイ新聞 2007年11月23日付け
国際交流基金サンパウロ文化センター主催の討論会「ブラジルにおける和食の展望」が八日午後七時半から同センター開かれ、近年の日本食ブームを反映してか百人近い来場者が参加した。
昨年十一月から実施している食文化シリーズ「Saberes dos Sabores」(「味覚の知恵」)の一環。青木智栄子(ブルーツリーホテル社長)、岩崎透(東山農場取締役社長)、横田パウロ(サンタクルス病院理事長)、康本静子(日本料理研究家)、カツキ・マルセーロ(フォーリャ・デ・サンパウロ記者)、イラン・コウ(エスタード・デ・サンパウロ編集長)らがパネリストとして出席、「ブラジルの和食の特色及び問題点」「食における日伯の融合」などをテーマにそれぞれの知識や意見を披露した。
会場からは多くの質問が寄せられ、日本食への高い関心を改めて認識させられる結果となった。
司会を務めた同センターの岡野道子さんは、「寿司や刺身だけではない日本食を普及するとともに現在の問題点や解決方法を模索できれば」と企画の趣旨を話した。
討論会後は会場を移し、パネリストと来場者らが、東山農場提供の東麒麟を片手に食談義にふける姿が見られた。
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次回の企画は、画家の福島タカシさんの講演で食と食器との関係を探る「色彩と味覚」。料理人や陶芸家ら関係者も招き、来月十一日に行なわれる。