ニッケイ新聞 2007年11月20日付け
アルゼンチンのクリスチナ次期大統領は十九日、伯亜エネルギー協定打診のため再度来伯した。協定はペトロブラス(以下PB)が、亜国で合弁事業を立ち上げるため投資を要請するもの。次期大統領は、伯亜枢軸をベ亜枢軸より優先する考えだと亜紙ラ・ナシオンが伝えている。
クリスチナ新政権の外交政策は、先ずブラジルとの戦略関係を確立してから対外関係を検討する姿勢だ。同大統領の選挙公約は、ブラジル経済政策の導入であった。その第一が、エネルギー協定である。
ブラジルの模範企業は、エンブラエル。亜国コルドバで現在、航空機を製造するロックヒード社の営業権をエンブラエルに切り替える考えだ。同大統領はYPF亜石油公団をスペインのRepsolへ売却したことで、夫と大喧嘩をした。今度は、それに代わるPB合弁公団を設立する。
夫はベネズエラのPDVSA石油公団と合弁のEnarsaを立ち上げたが、計画倒れになった。Enarsaは旧Essoの設備継承でPBと争い、亜政府はPBを蹴った。亜政府は、地元企業とEnarsaを合弁させようとした。それが何故またPBなのか、PBは驚いている。
次期大統領は、サントス大陸棚の油田が亜国まで続いていると思っているらしい。そうだとしても、亜国には海底油田の開発技術がないし試掘する資金力もない。それでPBへの便乗が、早いと見たようだ。次期大統領は、現実的で頭の回りも速いとの評判だ。