ニッケイ新聞 2007年11月17日付け
チリーで十四日午後一時四十三分、マグニチュード七・七の地震が発生した。同地震の揺れは二分後、パウリスタ大通りなど十カ所でマグニチュード三程度で感じられたが、ひび割れなどの被害はなかったとフォーリャ・デ・サンパウロ紙が報じた。
パウリスタ大通り近辺のマンションでは、椅子がガタガタと音をたて、ドアやタンスの扉が開閉していたという。中心街ではアラームが鳴り、住民は一斉に戸外へ避難した。建物破損のリスクはないというが、電話網は混乱し三十分にわたって不通となった。
震源地はチリー北部のトコピージャ市から四十キロの地点、震源の深さ六十キロ。被害は死者二人、けが人百五十人、四千戸の家屋が倒壊した。他に五十人の労働者が坑道内に閉じ込められていると、チリー政府が発表した。震源地付近は、砂漠地帯のため人的被害は少ないようだ。
地震は太平洋側のアスカ断層が、アンデス山脈のある南米断層の下へ滑りこんだためとされる。余震は六分後マグニチュード六で発生したが、津波の心配はないと報道された。チリーを初めアルゼンチン、ボリビア、ペルーなどアンデス山脈の麓になる地域は、南米の地震地帯とされる。