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「荒城の月」歌い見送る=カルロポリス灯籠流し

ニッケイ新聞 2007年11月14日付け

 【ロンドリーナ】パラナの風物詩となった第二十六回「御先祖合同供養並びに灯籠流し」が、十月二十七日午後四時から、カルロポリス市のカラヴェラ・カントリー・クラブで行われた。老寿会と文協(宇都忠会長)の共催。灯籠は、千六十基流された。参加者たちは、「ふるさと」と「荒城の月」を歌いながら灯籠を見送った。会場付近で花火が打ち上げられた。
 合同供養で、マリンガ日伯寺の佐々木良法住職が読経、約五百人が焼香した。佐藤宗一クリチーバ総領事、西森ルイス・パラナ州百周年祭委員長、島田巧文化連合会名誉会長、地元の長老伊藤直さんらも列席した。
 共催団体の佐藤清太老寿会会長が「毎年、焼香や灯籠流しの意味を理解してくれる若い人たちが増えている」と目を細めた。壇上に流す灯籠が並べられ、佐々木住職ら僧侶たちが読経、灯籠に書かれた先祖の名を一人一人読み上げた。
 法要終了後、参加者たちは、パラナ州とサンパウロ州の境に位置するシャバンテス・ダムに移動、ダムにかかる橋の付近から灯籠を一基ずつ流した。
 流し終えてから夕食会。マリンガの太鼓グループ「勢志丸太鼓」、カルロポリスの「赤龍太鼓」が演奏し、午後十時、すべてのプログラムを消化した。
 セルタネージャから訪れた広田國男さんは「(灯籠流しは)日本でやっていたのと同じだった。日本にいたころを思い出した。先祖を大事にするのを忘れてはならない。来年も来る」と満足げだった。(中川芳則通信員)