ニッケイ新聞 2007年11月13日付け
なぜ日本語を勉強するか―。全伯スピーチコンテストで、非日系の三人が学習当初には「日系じゃないのにどうして」「勉強してどうなるの」と周囲から奇異の目があったと、振り返った。
「好きだから」がその答えだが、日本語を学ぶ動機は昔とは変わった。「日系だから」が少数になる時は来るだろうし、現に、今年の出場者十四人のうち、日系人は三人のみだ。と同時に、日本語学習者のすそ野は確実に広がっている。能力試験、ビジネス能力テストなどの申し込み者数はいずれも増加傾向にある。
日本語は、民族的なアイデンティティーとなる以上に、その存在を高めていると思う。
となれば、意欲ある学習者が「修得して何の役に立つのか」などと言われることがないくらいに、日本語が、趣味に終わらない、社会的に〃強い〃言語になるときも来るだろうか。 (稲)