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上流階級を蝕む麻薬=常習から販売に転じた子息ら=放縦な家庭環境と拝金主義

ニッケイ新聞 2007年11月10日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】リオデジャネイロ市警は八日、同市南部の高級住宅地に居住する良家の子息八人を麻薬密売組織に加わり、大麻やクラック、コカイン、LSDを販売した容疑で拘束した。容疑者は、学友や大学構内、パーティ、若者のたまり場で販売していた。
 拘束された若い容疑者らは、ラゴア区やレブロン区などに居住するエリート階級の子息だ。若い捜査員をキャバレーやたまり場に侵入させ上流階級への麻薬浸透を内偵していた。当局は組織のメンバーを突き止め、盗聴とカメラ撮影を始めた。驚いたのは、良家の子息が組織の幹部のように符牒で会話をすること。
 いまや良家の子息は、麻薬の常習者ではなく販売人となったことに当局が当惑した。上流社会への麻薬浸透は、社会問題といえそうだ。上流社会は、この深刻な実態を認識していない。上流社会の家庭や友人間に麻薬は、一服の清涼剤のように流通している。
 保護された未成年子女は、小遣いに不自由することなく金離れと格好のよさで友人間にアイドル扱いされ、手を染めたと係官に供述した。小銭に困らないことで友人らも仲間に入り、罪意識もなく麻薬のサークルが広がったという。
 子息らは拘束された日、取調べ室で過ごし別荘気分であった。係官のお説教が通じるのは、毛虱だけ。人間の頭にあるものが、他人の頭に移るわけがない。お金が全てだと、オルカットで友人に便りを送っている。夜は一般拘置者と同じ留置所へ入れられ、子息らは目が覚めたらしい。
 子息らは、一般拘置者から虐待されないため係官に指導を願った。下を向いて絶対頭を上げない。気に障ることを絶対いわない。父親が翌日、迎えに来て拘束者は帰宅した。いつものシナリオだ。フルミネンセ警察署は最近、貴婦人がひんぱんに差し入れのため出入りするようになった。