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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2007年11月06日付け

 「本当は青森の子なんだけどさ」。九十周年を迎えた福島県人会創立記念式典で、実行委員の一人が誇らしげに話す。「世話になったって、手伝いに来てくれるんだよ。あっちの子はずっと北海道(協会の青年部)に行ってたんだけど、最近戻ってきたんだ」。
 宮谷エレーナ青年部前部長は、若者が集まる動機を、最初は「日本に研修に行きたいから」だが、「次第に友達ができると楽しくて抜けられなくなる」のだという。
 式典では、会場の配置、材料の手配も青年部が任せられ、五百人分の胸飾りをメンバーが全て手作りで用意した。
 ある青年は「私らもう三世で、県が混ざっているから。どこに行ってもいいと思うの」。
 彼らの結びつきやアイデンティティーは、移住一世のような「○○県人である」というところにはないのだろう、と改めて思った。   (稲)