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W杯を政治に利用=予算交付とCPIが関心事

ニッケイ新聞 2007年11月02日付け

 【ガゼッタ・メルカンチル紙十一月一日】二〇一四年W杯サッカーな開催地を決めたFIFA(国際サッカー連盟)の式典舞台は、二〇一〇年のPT政権再選に向けた選挙運動の舞台に早や変わりしたようだ。チューリッヒのFIFA抽選会場は、次期大統領選挙の前哨戦といえる。
 PT{労働者党}所属の知事らは、小躍りしたに違いない。W杯サッカーで落ちる交付金を、いかに自分の州へ落とさせるかだ。選手村や競技場の振り分けを、与党や連立与党のよしみで優先してもらうこと。
 W杯サッカー試合を誘致したら、三七〇〇万票を得票したようなもの。試合を誘致した知事の政治力に、選挙民はいっせいに便乗する。その数は、三七〇〇万人と見られる。
 サッカーCPI(議会調査委員会)は、コリンチアンスCPIともいわれる。ブラジルではサッカーというスポーツが、犯罪に使われているという風評が外国で強い。もしも、サッカーCPIが設置されると、W杯でひと稼ぎを目論んでいた知事らは困る。
 CPI審査の手はコリンチアンスへ及び、さらにコリンチアンスのマーケティングを担当したMSI社へ捜査の手が伸びる。MSI社が大のコリンチアンス・ファンである大統領の影響を利用しないわけがない。大統領の権限を悪用した犯罪が表ざたになるのは、避けたいところだ。