ニッケイ新聞 2007年10月30日付け
JATAK農業技術普及交流センター、ABJICA共催で、山添源二氏(71、元サンパウロ州森林院総裁)を講師に招き、講演会「ブラジル郷土樹種による多目的造林提案」をテーマに十一月八日午後三時から、文協ビル小講堂で行なう。
サンパウロ州では、森林法により、所有農地総面積の二〇%を郷土樹種(在来種)として残すか、再生して保護林として設けることが義務付けられている。
「在来種は環境にいいが、手入れにコストがかかり経費が回収しにくい」と山添氏。これを経済活動に転用する方法を研究しており、そのノウハウを「持続可能な林業」として、サンパウロ州観光局森林院の総裁を務めた同氏が農業者に提案する。「環境性と経済性をもたせるわけです」。
同センターの広瀬哲洋所長は、「将来的に深刻になるであろう森林法という農業者の問題を、プラスに転化する画期的なものになるのでは」と話し、多くの来場を呼びかけている。
入場無料。講演は基本的にポルトガル語で行なわれ、質疑応答などは日本語で可。講演会に関する詳細は、JATAK農業技術普及交流センター(電話=16・3973・1006)まで。
【山添源二略歴】JICA研修員同窓会(ABJICA)副会長。一九六三年、サンパウロ大学農学部卒。六五年から六七年まで、日本国文部省国費留学生として北海道大学、九州大学で林学を学ぶ。六八年から〇五年までサンパウロ州環境局森林院(Instituto Florestal)に勤務、八〇年から八三年まで同総裁を務めた。