ニッケイ新聞 2007年10月27日付け
百周年事業の一貫である移民写真展の写真選定がすすんでいる。先日の史料館会議で担当のJICAシニアから選定中の写真紹介があった。同写真展は日伯両国で巡回して行われる予定だ。
『ハルとナツ』ではないけれども、移民像は暗く苦しい歴史像として描かれがち。日本でもその見方は一般的だが、選定中の写真は「明るく力強く生きる移住者の姿」を感じさせるものが多い。
この中には巡回シネマ屋の写真、第二次大戦中に日本軍の勝利を背広姿で祝うシュラスコ会の写真などもあった。現在百二十枚ほどまで厳選されているが、今後さらに百枚にしぼるのが惜しいくらいの写真ばかりだ。
この写真展の開催は新たな移民像を映しだすきっかけになるかもしれない。これが在日のデカセギ子弟だけでなく、一般の学校の教材として活用されることもあれば、なお意義深い。(泰)