ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 牛乳に違法添加物=食の安全より自社利益

牛乳に違法添加物=食の安全より自社利益

ニッケイ新聞 2007年10月24日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】連邦警察は二十二日、ミナス州の乳業協同組合二つを、無認可の添加物を使用していた食品安全法違反の罪で摘発した。
 摘発されたのは、州南西部ウベラバ市のコーペルヴァーレ(Coopervale)と、パッソス市のカスミウ(Casmil)の二乳業組合で管理職ら二七人が拘束された。連警によると、この二つの組合内では、長期保存(ロンガ・ヴィダ)タイプの牛乳の処理時に、賞味期限引き延ばしのために苛性ソーダや過酸化水素水などを混入した処理液を使用。これによって雑菌の繁殖を抑えるとともに、傷みかけた原乳を傷んでないかのごとく見せかけたりといった操作をしていたほか、増量も目的であった可能性がある。
押収されたサンプルを分析した結果、アルカリ度が高く、飲用には適していなかった。長期保存のための添加物として認められているのは保存料としてのクエン酸ナトリウムだけで、苛性ソーダや過酸化水素水の摂取は、吐き気や嘔吐、下痢、量によっては胃炎などの炎症反応、胃穿孔などを引き起こす。
 連警では他の組合でも同じことが行われている可能性があると言うが、消費者として気になるのは、自分たちの口に入っているかどうか。摘発された組合からは、パルマラッテ(Parmalat)、カルー(Calu)、センテナリオ(Centenario)の三社に納品されていたが、パルマラッテ社では原乳だけを購入しており、加工乳は購入していないとしている。カルー社は取引関係を否定、センテナリオ社の購買担当者には二十二日中の取材はできなかった。
 ミナス州保健局の食品管理担当者は、製品の回収は指示されていないとした上で、品質が替わっていたり変なにおいがした場合には、各自治体の衛生管理担当部署と連絡を取るようにとしている。