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東西南北

ニッケイ新聞 2007年10月20日付け

 党籍をころころと替える輩にお灸とばかり、議員権は党に属すとの判断が出たことは既報だが、全国五五六二人の市長のうち一五九人が、やはりこの問題で市長職を失う可能性がある。モラルの問題といえばそれまでだが、今まで規則もなかったところはブラジル?サルコジ仏大統領が離婚という話が世界中に伝わるのとは規模が違うが。
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 子供の事故死を防ぐために保育園などを増設せよという話があったが、サンパウロ市では市が補助金を出す形の保育園五〇〇の建設を来年中にとの案。業者も決まらず、まだ、絵に描いたもちの世界だが、それを言うなら、サンパウロ市南部の建設終了の保育園が敷地内にある八〇〇〇トンの瓦礫の山のせいで開校できずにいる問題も解決すべき。ファベーラの中に建てられ、開校を待つ親や子供が溢れているというのに。
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 年末が近づくと頭が痛いのは私立校に子供を送る親。来年度の申込み受付も始まる時期だが、学校によっては、月謝の値上げ幅が一〇%というところも。私立大学の学生の授業料未納による中退率は二〇%以上。今回授業料全額の分割払いを認める処置がとられることになったようだが、私立学校の生徒で月謝が払えず公立校に移るケースも増えている。
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 リオのファベーラの幼い犠牲者ジョージ・カウアン君(十九日記事のカウエ君は誤り。訂正します)の葬儀が行われ、およそ五〇人が参列。二人目の子供が生まれたから姑のそばにと引越し、今回の事件に巻き込まれた母親(二〇)は、自分の家も姑の家も銃撃戦で蜂の巣とされ、哺乳瓶さえ失ったと。子供も行き場も失った家族は住居も含め、支援の手を必要としている。