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太鼓集団=「鼓童」が百周年で来伯へ=バイーア「OLODUM」と共演=来年10月から国内5都市で=秋元さん「交流のきっかけに」

ニッケイ新聞 2007年10月20日付け

 佐渡を拠点に国際的な活動を行う太鼓芸能集団「鼓童」が、来年、サルバドールの音楽グループ「OLODUM」との共演を、日本とブラジルの両国内で行う。日伯交流年の記念事業として日本の文化庁が企画している文化紹介の一環であり、このほど、ブラジル公演の下見のために、秋元淳「鼓童」企画・製作担当と、伊藤寿コンサルタントが来伯した。来年八月、OLODUMが訪日して、佐渡の国際芸能祭「アース・セレブレーション」に参加するほか、十月末から十一月の約一カ月間、「鼓童」がブラジル内五都市で十二回にわたって公演を行う予定だ。ブラジル国内で、太鼓人気が顕著になりつつあるだけに、来年の公演の盛況が期待できそうだ。
 「鼓童」は、一九八一年に結成されて以降、年の三分の一を海外、国内と本拠地の佐渡に分けて、演奏活動している。これまでに国外四十四カ国で三千回以上の公演を行ってきた。日本移民八十周年祭の際にも来伯、演奏し、「ブラジル太鼓ブームのきっかけになった」ともいわれている。
 一方、OLODUMは、一九七九年に黒人コミュニティーから生まれ、バイア音楽を中心に活動を展開しており、世界的な知名度を得てきた。〇二年のサッカーワールドカップでは、OLODUMのバンドがブラジル代表の応援を行い、国内で広く知られるところとなっている。
 今回の訪伯では、秋元さんがサルバドールを視察し、OLODUM関係者との対面や会場の下見を行った。その後、伊藤さんと合流し、ブラジリアで外務省や文化省関係者と会談し、サンパウロへ来た。
 「太鼓は誰でも簡単に入る(始める)ことができますし、ブラジル政府も関心を持ってくれています。来年がきっかけとなって、いい交流ができる可能性は大きい」と伊藤さん。秋元さんも会場を下見して「どこも十分な環境だった」と喜ぶ。
 国内では、サルバドール、ブラジリア、サンパウロ、リオ、ベロ・オリゾンテで公演を企画しており、サンパウロでは、六回の舞台のうち、一回は屋外での開催を検討中。約十五人の叩き手が来伯し、一回の公演で一千人から二千人を動員する予定だ。
 秋元さんは、「和太鼓の一つのスタイルを築き上げたという意味で、二十年前に見た人も見ていない人も楽しんでいただけると思います」と、自信を持って、舞台を勧めた。そして、「ブラジルでの公演で、鼓童が、若い世代や日系社会との関係を築き、次(の来伯)に続くステップになれば」と、展望を述べた。
 公演終了後には、太鼓に関心のある人を対象にした、ワークショップなども行っていきたい意向だ。
 現在のところ、公演予定は次の通り。二〇〇八年十月二十七日=ブラジリア、二十九、三十日=サルバドール(二回公演)、十一月一日=ベロ・オリゾンテ、八、九日=リオデジャネイロ(二回)、十一~十六日=サンパウロ(六回)。