ジウマ大統領は22日、TVグローボ局のインタビューで、米国とドイツの経済に関する数字などを大きく誤る発言を行なった。その一方、サンパウロ州の企業家たちの支持がマリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)に流れ、彼らの中で同大統領の支持率が低くなっていることも報じられている。23日付伯字紙が報じている。
ジウマ大統領は大統領官邸で21日、22日に放映したグローボ局の朝の報道番組「ボン・ジア・ブラジル」用のインタビューを受けたが、その雰囲気は、ジャーナリストのミリアン・レイトンさんとの数字をめぐるやりとりで張り詰めたものとなった。
まずミリアンさんが、19日に発表された全国家庭サンプル調査(Pnad)で18~24歳の失業率が13・7%だったことに触れると、「Pnadは失業率は計測しない」とした上、国全体の失業率の4・9%を上げ、「世界中でこれほど失業率が低い国はない」と誇らしげに語った。同番組では放映時、学生や職を探していない人を除いた18~24歳の人の13・7%は失業中であるとのPnadのデータは正しいと補足した。
また、マリーナ氏らが連邦政府からの独立性を主張して注目が集まる中央銀行に関し、「米国の連邦準備制度理事会(FRB、同国中銀)は独立性を保っているが、景気後退(リセッション)の一現象であるデフレに直面している」と語った。これに対しミリアンさんは、「米国は年間2%程度のインフレで、デフレではない」と訂正した。
また、ミリアンさんが「今年のドイツの国内総生産(GDP)の成長見通しは1・5%だが、ブラジルの成長見通しは0・3%」と語ったところ、ジウマ氏は「ドイツの見通しは0・8%」と訂正した。だが、この数字は今年第2四半期の前年同期比での成長率で、ミリアンさんが正しかった。
一方、民主社会党(PSDB)のカルドーゾ元大統領は22日、自政権で中銀総裁を務めたアルミニオ・フラガ氏を伴い、企業家リーダー・グループ(Lide)と昼食会を行なった。この目的は、最新の世論調査で支持率巻き返しの傾向を見せたアエシオ氏の後押しをするためだった。
だが、昼食会後、ジェツリオ・ヴァルガス財団が同会に参加した企業家602人に「大統領選ではどの候補を支持するか」と質問したところ、本来、企業家に強い基盤を持つはずのアエシオ氏は35%に止まり、マリーナ氏(53%)に1位の座を譲った。ジウマ氏のここでの支持率は12%に過ぎなかった。
また、企画省が22日に公表した2カ月毎、4度目の予算修正報告によると、基礎収支の黒字目標達成のため、連邦政府はソブリンファンド(政府支出の投資ファンド)から35億レアル引き出し、公社の収益を予算より15億レアル多く利用した上、政府に直接関係ない支出を切り詰めて、14年の決算の帳尻あわせを行なおうとしているという。同報告は今年の成長予想を1・9%から0・9%に半減したが、それでも市場予測の0・3%より楽観的だ。
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