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首相と知事の就任祝う=群馬県人会=4人の首相「県人の誇り」=「最後まで根性でやりきって」

ニッケイ新聞 2007年10月17日付け

 「群馬気質で逃げ出さないで最後まで一生懸命やってほしい」―。群馬県選出で先月、親子二代の内閣総理大臣に就任した福田康夫首相と、今年七月に同県知事に当選した大沢正明元県議会議長の就任を祝う会が十一日午後、サンパウロ市リベルダーデ区の群馬県人会会館で開かれ、県人会会員ら十五人が参加した。
 同県はこれまで、福田首相の父、故・赳夫氏(76―78)や中曽根康弘氏(82―87)、故・小渕恵三氏(98―00年)を含めて戦後最多となる一県四人の首相を輩出。君が代斉唱後、あいさつにたった松田典仁県人会会長はこの点にふれて、「群馬県人にとって大きな誇り」と述べた。
 また同首相の就任について「運があった」と形容。同会長によれば「運」とは熱意・能力・健康の三つで成り立つという。
 福田内閣の誕生を自宅のNHK放送で知り、「テレビの前でおもわず拍手した」という高柳清県人会名誉会長は、「福田さんはこれまでの首相よりもガツガツしていない。彼は運もよく芯のある人。政局のピンチも切り抜けますよ」と称賛。会員らに熱く語りかけ、大きな拍手を得た。
 続いて小渕民雄副会長は、「(福田首相は)安倍さんが首相になったときに身をひいて、今回のチャンスをじっとまっていた。こりゃ偉い人だ。おりゃ、福田さんには吉田(茂)首相の時のようにガーンと最後まで根性でやりきってほしい」とユーモアを交えながらエールを送った。
 荻原建暁同県人会事務局長は「群馬県人はまじめで約束を守る男が多い。おれが正しいと思ったことをしっかりと押し通すところがある」と紹介。司会の内山さんは同県の土地柄について、「群馬はカカア天下の土地。母親にきびしく育てられた男子が活躍するところで、義理人情が今もしっかり残っている」と述べた。
 福田首相と遠縁にあたる県人会会員の石原正子さん(67、伊勢崎市出身)はこの日、同首相の関係者からもらった首相直筆の記念色紙を持参。福田首相の哲学である老子の「光而不輝(光ありて輝かさず)」と書かれた色紙のほか、同首相の官房長官時代の写真などを並べ、参加者に紹介していた。
 このほか参加者全員でブラジル国旗に署名した。県人会関係者によれば、近いうちに福田首相と大沢知事のもとへ送付する。