ニッケイ新聞 2007年10月16日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】資金の出所証明に端を発し一三四日間にわたったカリェイロス上院議長(PMDB=ブラジル民主運動党)の開き直り戦略は十一日、元支持者の離反で孤立無援となり四五日間の上院議長休職に踏み切った。
同議長の休職は、暫定金融税(小切手税)の延長案を優先する政府にとって避けて通れないものとされた。同議長の議員権はく奪第一回表決は、辛うじて免れた。告発は、相次ぎ四回まで上程されている。
同議長は職権に頼らず自分自身の力で潔白を証明し、凱旋するといって席を立った。議員権はく奪を避けるための議長休職であるが、それは抗弁の内容にかかり、十一月二十六日に復職できる可能性は少ないと関係者は見ている。
プラナウト宮は、暫定金融税の期限延長案の通過に賭け、上院議長の休職に伴う後任争いを戒めた。特に野党が後任議長を狙っているので、下手に騒ぐと罠にはまるとけん制した。後任争いを沈静し四五日間の休職を九〇日間に延長、暫定金融税の審議中、雑音を排除することも政府は考慮中である。
政府にとって上院議長の帰還は、爆弾を持ち込むようなもの。上院議長復帰は無理としても、議員権を保持するためおとなしく政府の説得に従うよういい含めるようだ。