ニッケイ新聞 2007年10月11日付け
文化庁の文化交流使として派遣された囲碁棋士・円田秀樹九段(41=大阪府出身=)が三日、着聖。五日、日本棋院南米本部の平松幸夫副理事長、村井修副理事長とともに本紙を訪れた。
円田棋士は以前にヨーロッパ数カ国を訪れ囲碁の指導、普及を行っており、これまで指導に携わってきた国の数は二十五カ国以上にものぼる。
今回は九カ月の派遣期間中、ブラジルを拠点に中南米七カ国、南アフリカ、マダガスカルのアフリカ大陸二カ国を訪れ、囲碁の指導、普及に取り組む。
円田棋士は七歳の時に父親の影響で囲碁を始め、囲碁棋士・辻井良太郎七段の門下生として囲碁に励み、一九八三年、十六歳でプロ試験に合格、入段。九四年、第二十五期新鋭戦トーナメントで優勝し、初タイトルを獲得した。九六年には松原賞を受けている。
初来伯という円田棋士は「遠いなー、危ないなー、といったイメージがあったが、来てみたら日本の大都市と同じですね」と感想を語った。
ブラジルの囲碁愛好者のクセを尋ねると、「すごく攻撃的な打ち方を好んでいますね。例えば相手の石をいっぱい取ったり」と平松副理事長が笑いながら答え、円田棋士は「石を多くとっても結局は自分のテリトリーが小さいと勝てないですから」と柔らかい口調で解説した。
今月十二日からはエクアドルで行う「イベロ・アメリカ大会」に審判長として出席することが決まり、初公務となる。
また、近く初心者向けの指導教室を企画している。現在は月曜日を除いた火曜日から日曜日の午後一時から七時まで指導を受けられるという。
指導を希望する人に対し「まずは電話でご一報を下さい」と呼びかけ、「非日系人の若い世代に指導したい」と抱負を語った。
教室に関する問い合わせは日本棋院南米本部(電話11・5571・2847)まで。