ニッケイ新聞 2007年10月6日付け
【BBC通信五日】エクアドルのラファエル・コレイア大統領は四日、同国で原油採掘に従事するペトロブラスなど外資系企業の政府への配当率を従来の五〇%から九九%とする法令を発令した。同大統領の就任以前は、純益の折半ということであった。外資系企業の代表は、新規制定の法令が事実上の接収であると驚いている。
エクアドル新政権は、市民によって樹立された革命政権であるという。コレイア大統領は、法令制定の式典で純益の五〇%は過少であり、外国企業による常軌を逸した搾取であったと述べた。新政権の考えは石油資源はエクアドル国民の資産であり、適正な利益配分は直ちに始めるという。
エクアドルでは、ペトロブラスの他にYPF、ペレンコ、アンデス・ペトロレアム、シティ・オリエンテなどが操業、日産五〇万バレルを産出していた。エクアドル政府は採掘設備や資源の国有化はしないと宣言した。同国の野党は、ベネズエラのチャヴェス大統領による入れ知恵であると一斉に非難した。
第一の反応は、投資家の動揺である。ペトロブラスは原油を日産三万二〇〇〇バレル産出する同国主要の石油企業だ。一%の配当とは、赤字経営を意味する。チリボガ鉱山動力相は十五日、関係者を招集し詳細説明を行うという。
同国で操業する外資系企業は、純益の五〇%配当をせず二〇%に留まっていたと、同大統領は抗議した。ペトロブラスがエクアドル政府と交わした契約書は、二〇二四年八月まで有効で、中国やスペインが合弁事業を望んでいた。