ニッケイ新聞 2007年10月5日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・ッデ・サンパウロ紙四日】二日に上院経済専門委員会で承認された保健省予算の削減は今後社会福祉委員会を経て議決されるわけだが、ブラジル人口の六割を擁する八州では国家予算からの配分減が州予算を脅かす程の影響を与える可能性がある。
委員会承認案では、上下水道などの衛生施設施行のための経費が保健省管轄の経費とされたほか、保健衛生分野の職員の年金等も保健省管轄とされたが、これ以外にも、各州への予算配分の比率が変更されることとなった。これは、国家予算の七五%が州人口に応じて配分され、残り二五%が各州の保健衛生の実情によって配分されるという項目が、二五%については地域ごとの経済格差を減らすために設けられた指標によって配分することになるためで、この指標によると、この二五%は一人当りの収入に反比例する形で配分される。
この配分比率の移行は既に削減された予算の更なる削減を意味する州もあり、統一システム保健所(SUS)への補助にも響いてくる。エスタード紙によると、サンパウロ州では、来年度予算の一七・七五%に当る一四億二〇〇〇万レアルが削られる可能性があり、リオ州、ミナス州等の州で大幅減額があり得る。
二日の委員会承認は、今後の審議で覆されることもあり得る訳だが、委員会承認案で配分増となる北伯、東北伯、中西伯の各州は、承認案保持のため、また、南伯、南東伯の各州は承認案の変更のために動き始めている。