ニッケイ新聞 2007年10月5日付け
サンパウロ州では他の地域より物価高?携帯電話の前払いタイプは、他州では一分一・二〇レアルがサンパウロ州では一・三六レアル。オペレーターが三社しかないことも原因の一つだというが、サンパウロ州での貧困層の統計も、基準になる収入は他の地域よりも高め。収入が多いなら生活コストも高くてもいいと言われると、庶民の懐は…と考えてしまうが。サンパウロ市では、九月から十月にかけてで外食費は四%から一六%上がったとフォーリャ紙。サンパウロ州からの流出が増える一因か。
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犯罪統計(既報)で槍玉に上がったサンパウロ市とリオ市。今回は、サンパウロ州カザパヴァ市で二日の夜から行方不明になっていたGMの組立工の青年が、三日の朝になって道で気を失って倒れていたとリオ市の警察から通報。誘拐の可能性ありと捜査が続いているが、本人は入院加療中。
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誘拐、行方不明といえば思い出すのは、カンタレーラで兄弟二人が犠牲になった事件(一部既報)。被害者は他にもいるが、兄弟二人を失った母親は空のベッドや洋服タンス等を見るたびに涙に暮れている。幼い妹たちは兄たちの死をまだ理解できず、なぜ返ってこないのかと聞くという。「小さな家なのに、あの二人がいないとがらんとして」という母。犯人の家族や犯人を担当していた精神科医は脅しを受けたり、家への投石があったりしているようだが、被害者の悲しみはぬぐえない。
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こちらは行方不明者の生還。アマゾンで父親を探しに出かけて行方不明になっていた三歳の少年が、十二日後に保護された。熱や脱水症状等を訴え、一日から入院して治療を受けているが、猛獣もいるアマゾンのジャングルで、けがや虫刺されですんだのは奇跡。