ニッケイ新聞 2007年10月4日付け
オリンピック水泳競技でブラジル初のメダリストとなった日系二世の岡本哲男さんが二日朝、呼吸困難と心臓発作のため、療養中のサンパウロ市ビラ・マリアーナ区の自宅で亡くなった。享年七十五歳。
岡本さんは北海道出身の父・仙太郎さんと福岡出身の母・ツカヨさんの三男として一九三二年三月、マリリアで出生。七歳で水泳を始め、十四歳の時、サンパウロ市で開催された全伯大会に出場した。
五一年にブエノス・アイレスで開かれたパン・アメリカン大会にブラジル代表として出場。四百メートルおよび千五百メートル自由形で金メダルを獲得した。
翌五二年にフィンランドのヘルシンキで開かれたオリンピック競技会では千五百メートル自由形で銅メダルを獲得。ブラジル水泳界に初めてのメダルをもたらした。
勉学のため出聖後は、米国留学などを経て、企業、農場などを経営していた。
葬儀は二日午後、サンパウロ市のゲッセマニ墓地で営まれ、同日埋葬された。初七日ミサは七日午後六時からノッサ・セニョーラ・ダ・サウーデ教会(Rua Domingos de Moraes,2387,Vila Mariana、地下鉄サンタクルス駅)で執り行われる。
エスタード紙の報道によれば、ブラジル水泳連盟では岡本さんの死を悼み、三日間の服喪を発表、また傘下二十七連盟に対し今週末に開催される各競技会で一分間の黙祷が捧げるよう要請した。