ニッケイ新聞 2007年10月3日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】産業開発貿易省は一日、今年度の国際収支黒字予想を当初の四五〇億ドルから五〇億ドル引き下げて四〇〇億ドルとする下方修正を行った。同省筋では下方修正は輸入急増の強い圧迫が原因と位置付けている。
この予想が現実のものとなると、国際収支黒字は昨年比で六〇億ドルのマイナスとなる。同省では今年の輸出目標を従来通り一五五〇億ドルと据え置いているものの、輸入は一〇〇〇億ドルを初めて超える一一五〇億ドルとしている。
一月から九月までの累計では、輸入は二八・三%上昇したが、輸出は一五・五%の増加にとどまった。これにより、国際収支黒字は昨年対比で九・五%の減少となった。黒字額は輸出一一六五億九〇〇〇万ドルと輸入八五六億五〇〇〇万ドルの差額の三〇九億四〇〇〇万ドルとなった。
九月の一日平均の実績は輸出入ともに過去を上回る最高記録となった。輸出は一四一億六〇〇〇万ドルで一日平均七億四五六〇万ドル、輸入は一〇六億九〇〇〇万ドルに達し、一日平均五億六二九〇万ドルとなった。
同省が注目しているのが、昨年に比して資本財が四九%も増加したことである。さらに原材料や中間資材が三〇二%、消費財が三二%増加したのも異変となっている。燃料や潤滑油の輸入も六〇%増加しており、国内産業の活気が原因と見ている。