ニッケイ新聞 2007年10月3日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】国会による公務員スト規制法案の審議遅れをよそに、最高裁が民間企業従業員の罷業権に倣うという審理を始めた。手始めにパライバ州の小学校教師とエスピリット・サント州の軍警両ストが、俎上に上がる。
同審理は四月、レヴァンドフスキー判事の見解で最高裁が国会の縄張りに立ち入るとして中止した。しかし、同判事は国会が二十八日までに審議をしないなら、最高裁が再審理を行うと見解を変更し、バルボーザ判事も同意した。
最高裁は国会の議会運営に熱意を求めるとともに、公務員や公団職員の越権的ストに終止符を打つ意向である。無法地帯である公務員や公団の乱脈ストは、社会秩序の混乱であり許されざるものという。
メーロ判事は国会のスト看過が、罷業権の誤用を招くと述べた。スト規制による行政府の機能強化も、最高裁の役目とブリット判事が語った。これまで最高裁は国会に命令する権限はないと考えていたが最近、見解が変わり始めた。
最高裁見解は、国会に対する宣告ではない。しかし、連邦令の指示する範囲で法整備の欠陥が明らかな場合、越権行為を規制することはできる。二〇〇三年には、二万八〇〇時間にわたる長期ストが発生。二〇〇六年は上半期だけで一万五〇〇〇時間、行政機関が機能停止した。
最近では、国立大学 の教職員ストや公立病院ストで一〇万人が参加した。公務員ストは、ストで停止した期間の給与を後日支給される。国民への迷惑は、痛くも痒くもない。民間企業でこんなことをしたら、従業員の死活問題になる。
最高裁判決では、一九八九年に制定された法令七七八三号を適用する。同令は庶民への公共サービスで完全停止を禁じている。抜き打ちストやスト参加の呼びかけは、違法行為である。ストは、事前交渉を必須条件としている。
ルーラ大統領は、スト規制法案で公約を反故にした。国会はスト法案を先送りにし、公務員や公団職員に睨まれるのを恐れている。迷惑千万なストは、選挙のみそぎを受けない最高裁の判断に委ねるしかなさそうだ。