ニッケイ新聞 2007年10月2日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙九月三十日】二十八日の外国為替市場は、一ドル一・九三四レアルで閉じ、過去七年間でのドル最安値となった。
二〇〇二年後半に最高値を記録した後、徐々に下げてきたドルは、ブラジル経済にも様々な影響を及ぼしているが、今年一月から八月の貿易収支を見ると、昨年同期と比べ、輸出が六・八%の伸び、輸入は二二・四%の伸びとなっている。
特にこの傾向が顕著に現れているのが、企業投資で、機械や部品、ならびに原材料の購入への投資が急速に伸びている。ブラジル機械設備工業界(Abimaq)の統計によると、一月から八月にかけての国産機械の販売伸び率は一二・七%であるのに対し、機械輸入は三四・三%と大幅な伸びを記録している。
経済全般としては、八月の輸入は五億ドル/日以上(ルーラ政権初年は二億ドル/日)を維持しており、輸出は六億二〇〇〇ドルから六億五〇〇〇ドル/日となっている。急速な輸入の増大により、貿易収支の黒字は、七月末に四三八億ドルを記録した後、現在は四二二億ドルとなっている。
ブラジル貿易会(AEB)では、二〇〇七年の輸入総額は一兆五五〇億ドル、二〇〇八年は一兆六〇〇億ドルに達すると予想している。また、石油、鉄鉱石、大豆の輸出が今年後半の輸出を押し上げると予想している。
このようなドル、レアル不均衡はブラジル経済の今後にマイナスに働くと案ずる声もあるが、国際競争力向上や、ドル安で生じた投資増大による国内価格への反映がいかに行われるかが、今後の課題の一つとなると思われる。